○玉東町文化財保護条例
平成14年6月20日
条例第30号
玉東町文化財保護条例(昭和41年玉東町条例第29号)の全部を改正する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第98条第2項の規定に基づき、法及び熊本県文化財保護条例(昭和51年熊本県条例第48号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、町の区域内に存するもののうち町にとって重要なものを指定して、その調査、保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上に資するとともに、わが国文化の進歩に貢献することを目的とする。
(文化財保護委員会の設置)
第2条 前条の目的を達成するため、玉東町文化財保護委員会(以下「保護委員会」という。)を設置する。
2 保護委員会は、6人以内の委員をもって組織する。
3 委員は、学識経験を有する者及びその他必要と認める者のうちから玉東町教育委員会(以下「委員会」という。)が委嘱する。
4 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 保護委員会に会長を置く。会長は委員の互選による。
第3条 委員の報酬については、報酬及び費用弁償に関する条例(昭和44年玉東町条例第6号)の定めるところによる。
(財産権等の尊重及び公益との調整)
第4条 委員会は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 町指定有形文化財
(指定)
第5条 委員会は、町の区域内に存する有形文化財のうち町にとって重要なものを玉東町指定有形文化財(以下「町指定有形文化財」という。)に指定することができる。
2 委員会は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有権の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りではない。
3 委員会は、第1項の規定による指定をしようとするときは、保護委員会の意見を聴くものとする。
4 第1項の規定による指定は、当該町指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知して行う。
5 委員会は、前項の規定により指定したときは、その旨を告示しなければならない。
7 委員会は、第1項の規定により指定したときは、当該町指定有形文化財の所有者に別に定める様式による指定書を交付しなければならない。
(解除)
第6条 委員会は、町指定有形文化財がその価値を失った場合その他特殊の事由がある場合は、その指定を解除することができる。
3 委員会は、町指定有形文化財について法第27条第1項の規定による重要文化財の指定があったとき又は県条例第4条第1項の規定による熊本県指定重要文化財の指定があったときは、当該町指定有形文化財の指定を解除する。
4 委員会は、前項の規定により指定を解除した場合には、当該町指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。
5 委員会は、前項の規定により指定を解除したときは、その旨を告示しなければならない。
6 所有者は、町指定有形文化財の指定の解除の通知を受けたときは、20日以内に町指定有形文化財の指定書を委員会に返付しなければならない。
(所有者の管理義務及び管理責任者)
第7条 町指定有形文化財の所有者は、この条例及びこれに基づいて発する玉東町教育委員会規則(以下「委員会規則」という。)に従い、町指定有形文化財を管理しなければならない。
2 町指定有形文化財の所有者は、特殊の事情があるときは、専ら自己に代わり、当該町指定文化財の管理の責めに任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 所有者は、前項の規定により管理責任者を選任したときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。管理責任者を解除した場合も同様とする。
4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。
(所有者の変更届)
第8条 町指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
2 町指定有形文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損等)
第9条 所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、町指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、又はこれを亡失し、又は盗み取られたときは、速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第10条 所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、町指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、あらかじめその旨を届け出なければならない。ただし、委員会規則に特別の定めがある場合は、この限りではない。
(管理に関する勧告)
第11条 委員会は、町指定有形文化財の管理が適当でないため、当該町指定文化財が滅失し、又は、これを盗み取られるおそれがあると認めるときは、所有者又は管理者に対し管理方法の改善、保存、施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 委員会は、町指定有形文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、所有者に対しその修理について必要な勧告をすることができる。
(現状変更等の制限)
第12条 町指定有形文化財の現状を変更しようとするときは、委員会の許可を受けなければならない。
(修理の届出、補助等)
第13条 町指定有形文化財を修理しようとするときは、その旨を委員会に届け出なければならない。
2 委員会は、町指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導と助言を与えることができる。
3 前項の規定によって、町指定文化財並びに国及び県指定有形文化財のうち特別なものについては、その所有者又は管理責任者が修理を行うとき、町は予算の範囲内において経費の一部を補助することができる。
(公開)
第14条 委員会は、町指定有形文化財の所有者に対し6月以内の期間を限って、委員会の行う公開の用に供するため当該町指定有形文化財を出品することを勧告することができる。
2 委員会は、町指定有形文化財の所有者に対し、2月以内の期限を限って、当該町指定有形文化財の公開を勧告することができる。
3 委員会は、第1項の規定により町指定有形文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該町指定有形文化財の管理の責めに任ずべき者を定めなければならない。
4 委員会は、第2項の規定による公開及び当該公開に係る町指定有形文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。
(報告)
第16条 委員会は、必要があると認めるときは、町指定有形文化財の所有者又は管理責任者に対し当該町指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(所有者変更に伴う権利義務の承継)
第17条 町指定有形文化財の所有者が変更したときは、新所有者は当該町指定有形文化財に関しこの条例に基づいてする委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
2 旧所有者は、前項の場合には当該町指定有形文化財の引継ぎと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
第3章 町指定無形文化財
(指定)
第18条 委員会は、町の区域内に存する無形文化財のうち町にとって重要なものを玉東町指定無形文化財(以下「町指定無形文化財」という。)に指定することができる。
2 委員会は、前項の規定による指定をするに当たっては、当該町指定無形文化財の保持者を認定しなければならない。
3 委員会は、第1項の規定による認定をしようとするときは、保護委員会の意見を聴くものとする。
4 第1項の規定による指定は、当該町指定無形文化財の保持者として認定しようとする者に通知してする。
5 委員会は、前項の規定により指定したときは、その旨を告示しなければならない。
6 委員会は、第1項の規定による指定をした後においても当該町指定無形文化財の保持者として認定するに足る者があると認めるときは、そのものを保持者として追加認定することができる。
(解除)
第19条 委員会は、町指定無形文化財が町指定無形文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
2 委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由があるときは、その認定を解除することができる。
4 委員会は、前項の規定により指定を解除したときは、その旨を告示しなければならない。
6 委員会は、町指定無形文化財について法第56条の3第1項の規定による重要無形文化財の指定があったとき又は県条例第20条第1項の規定による熊本県指定重要無形文化財の指定があったときは、当該町指定無形文化財の指定を解除する。
7 委員会は、前項の場合にはその旨を告示するとともに当該町指定無形文化財の保持者として認定されていた者に通知しなければならない。
8 委員会は、保持者が死亡したときは保持者の認定を解除し、保持者のすべてが死亡したときは、当該町指定無形文化財の指定を解除する。この場合において、委員会はその旨を告示しなければならない。
(保持者の氏名変更等)
第20条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他委員会規則の定める事由があるときは、保持者又はその相続人は速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。
(保存等)
第21条 委員会は、町指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、町指定無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成、その保存のため適当な措置を行うものとする。
2 保持者が、町指定無形文化財の保存のため前項の措置を行うと認めたときは、町は予算の範囲内において経費の一部を補助することができる。
(公開)
第22条 委員会は、町指定無形文化財の保持者に対しその公開を町指定無形文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。
(保存に関する助言又は勧告)
第23条 委員会は、町指定無形文化財の保持者その他その保存に当たることを適当と認めるものに対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第4章 町指定民俗文化財及び町指定無形民俗文化財
(指定)
第24条 委員会は、町の区域内に存する有形の民俗文化財のうち、町にとって重要なものを玉東町指定民俗文化財(以下「町指定民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財のうち町にとって重要なものを玉東町指定無形民俗文化財(以下「町指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。
(解除)
第25条 委員会は、町指定民俗文化財又は町指定無形民俗文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
3 委員会は、町指定民俗文化財又は町指定無形民俗文化財について、法第56条の10第1項の規定による重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財の指定があったとき、又は県条例第27条第1項の規定による熊本県指定重要民俗文化財又は熊本県指定重要無形民俗文化財の指定があったときは、当該町指定民俗文化財又は町指定無形民俗文化財の指定を解除する。
(町指定民俗文化財の現状変更)
第26条 町指定民俗文化財の現状を変更しようとする者は、委員会に届け出なければならない。
2 委員会は、町指定民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る現状の変更に関し必要な指示をすることができる。
(町指定無形民俗文化財以外の無形の文化財の記録の作成等)
第28条 委員会は、町指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財(法第56条の21又は県条例第34条の規定により選択したものを除く。)のうち、特に必要のあるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、又は公開するものとする。
第5章 町指定史跡名勝天然記念物
(指定)
第29条 委員会は、町の区域内に存する記念物のうち町にとって、重要なものを玉東町指定史跡、玉東町指定名勝又は玉東町指定天然記念物(以下「町指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
(解除)
第30条 委員会は、町指定史跡名勝天然記念物が町指定史跡名勝天然記念物としての価値を失った場合は、その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
2 委員会は、町指定史跡名勝天然記念物について法第69条第1項の規定による史跡名勝又は天然記念物の指定があったとき又は県条例第35条第1項の規定による熊本県指定史跡、熊本県指定名勝又は熊本県指定天然記念物の指定があったときは当該町指定史跡名勝天然記念物の指定を解除する。
(標識等の設置)
第31条 町指定史跡名勝天然記念物の所有者は、委員会規則の定める基準により町指定史跡名勝天然記念物の標識等を設置するものとする。
2 町指定史跡名勝天然記念物及び国又は県指定史跡名勝天然記念物のうち特別のものについては、標識設置の経費の一部を補助することができる。
(土地の所在等の異動の届出)
第32条 町指定史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者(第7条第2項の規定により選任し、管理責任者がある場合は、その者)は速やかに、その旨を委員会に届け出なければならない。
(現状の変更等の制限)
第33条 町指定史跡名勝天然記念物に関し、その現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、委員会の許可を受けなければならない。
第6章 雑則
(委任)
第35条 この条例の施行に関し必要な事項は、委員会規則で定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。